見えてくる真犯人像
この事件は、何らかの事情で真犯人の逮捕を断念した警察当局が、あの当時の混乱を鎮めるために、彼の無実を知りながら、A少年をスケープゴード(まさに生贄の子羊だ)に選んだ意図的な冤罪事件だ。検察とも合意のうえだろう。もちろん警察当局は真犯人が再び人を殺すこともなく、誤認逮捕を嘲る「声明文」を送ってくることもないことを知っているからこそのこと。A少年逮捕後に、そんなことをされたら取り返しのつかない事態に陥り、警察にとっては迷宮入りよりなお都合が悪い。
真犯人がもしも愉快犯であるならば、A少年逮捕後「やはり愚鈍な警察諸君・・・」と声明を送らないはずはない。
だが、警察はA少年の無実を知りながら逮捕し、真犯人は沈黙を守ったままだ。なぜか。最初にはっきりと断っておくがこの章の目的は真犯人探しではない。「A少年が犯人ではないのなら、なぜ真犯人はその後、何もしないのか」という疑問に答えるためだ。そして、現実・事実に照らしての論理的整合性のなかで考察したつもりだが、あくまでもひとつの推理である。しかも、真犯人の特定を意図したものではなく、真犯人のもつ制約・条件についての仮説である。
真犯人の行動の「不自然さ」
○5月24日、土曜日。B君は昼食を済ませ、お母さんと兄と一緒に家にいた。1時過ぎ、父親が帰宅。B君は1時半過ぎに家を出て、徒歩で約700メートル離れた祖父宅へ向った。お父さんも新大阪駅近くで3時から始まる学会に出席するために家を出た。B君は家を出た直後10分位の内に絞殺されたとの推定。B君には知的発育障害があり、「なかよし学級」に通っていた。
○真犯人はなぜ土曜日の午後、車も人も通る住宅街を歩くB君を狙ったのか。真犯人からB君宅には、金銭の要求も脅迫もなかったし、誰かに恨まれてもいない。
B君は、用心深い性格で、特に男性には警戒心が強い。「知らない人について行くとは思えない」とのこと。真犯人はB君をどこで拉致したのか。
B君宅は車道に面したマンションの4階であり、祖父宅までは、まず約600メートル余り両側に歩道のある、バスも通る道を行く。途中にはコープもある。この間に拉致するのは無謀すぎる。通行人や対向車、後続車に目撃される可能性が極めて高いからだ。
車道から数10メートル奥へ入った祖父宅周辺は車はあまり通らないが、住宅地であることに変わりはなく、ここで強引に、犯人の車に引き込むのも危険が大きすぎる。大声を出され、抵抗される可能性が高いからだ。実際、事件発覚直後は、「B君は知らない人に手を引かれたりすると大声をあげるが、B君の声を聞いた人はいなかった」と、報道されていた。
○この事件はもちろん、行きずりの通り魔的犯行ではない。
明らかに通り魔事件であると思われる3月事件とは別のものとして考える方が自然だ。3月事件に触発された真犯人が、5月事件を引き起した可能性が高いが、5月事件の伏線として3月事件を起した可能性もなくはない。この場合は、同一犯人ということになる。
5月事件は、アンテナ施設の南京錠を事前に付け替えていることや、B君殺害後の犯人の行動からしても、周到な計画犯罪である。B君の死亡推定時刻が、家を出た直後ということからして、真犯人はB君を殺害する場所も、あらかじめ決めていたはず。しかし、犯人の立場からみると非常に危険度の高い土曜の午後、なぜ住宅街のまんなかでB君を拉致しなければならなかったのか。また抵抗されることもなく、拉致できると思い、実際そうできたのか。
○真犯人が複数であるならば、当然犯行方法について相談したはず。しかし、被害者宅には真犯人からは全く連絡もなく、B君を標的にする理由も見えてはこない。その後の犯人の行動からして、愉快犯(以後は劇場犯と言う)であったとしても、なぜ危険度の高い場所とB君を選んだのか。複数犯なら相談してもっと安全な時間帯と場所を選ぶのではないか。それが「計画」というものだ。
犯人にとって最も避けたいことは、その姿を目撃されること。それを避けるためには、夜間、人の目につかないところで、というのが自然だ。B君を標的にする必要がないのであれば、もっと辺鄙な地域で、夜間にひとりで歩いている子供を狙いそうなもの。しかし、真犯人はそうはしなかった。なぜか。
単独犯でも条件は同じであるが、単独犯であれば犯人なりの事情、必然性があったのであろう。複数の人間にB君を狙わねばならない共通の事情、動機があったとは考えにくい。金めあてでも恨みでもないのだから。その意味で複数犯であるとは考えにくい。(想像を越えたところで、複数の人間にB君を標的にする動機があればまた別の話だ。)
○動機は不明だが、犯人はやはりB君を狙ったと考えるのが自然だ。しかしB君が、その日その時刻に祖父宅に必ず行くと決っていたわけではない。5月24日は雨が降ったり止んだりの一日で、B君がひとりで歩いて祖父宅に向うとは限らない。B君は自転車にも乗るのだから。(その日も雨で危ないからと、自転車で行くのを家の人に止められたという話も伝えられていた。)もしも自転車であれば、拉致するのはまず無理になる。
○真犯人は、B君が家を出るのを、どこかから見張っていたのだろうか。しかし、そんなことをすると、長時間不審な車が止まっていたことを、印象づけてしまう。車をどこかに置いて見張っていれば、不審人物として目撃されるし、B君が家を出てから、車を取りに行っている間に、B君は祖父宅に着いてしまうだろう。
○標的になりそうな子供を物色しながら車を走らせている時に、祖父宅に向うB君を見掛けたとしたら、どうだろう。前述の時間帯と住宅街という、犯人にとっては絶対に無視できない条件を無視して考えてみれば。しかしその場合でも、B君は徒歩、犯人は当然車であるから、歩道を歩くB君の横をノロノロと動く車は目立ちすぎる。後続車から見れば、B君を狙っているのがすぐに分かってしまう。真犯人はB君が祖父宅へ行くことを知らないはずだから、先まわりもできない。しかし事実は、B君は家を出た直後、10分間位の間に何者かによって、全く無抵抗のうちに拉致され、絞殺されている。
○真犯人は、B君の遺体をどうしたのだろう。26日の深夜か、27日の夜明け前に、タンク山アンテナ施設の局舎の下に運び込むまで、どこに置いていたのだろう。
○殺害したのが、24日の午後2時前後。
遺体を明るい時間帯にどこかに運び込むのは危険が大きい。暗くなるまで、車に乗せているのも危険が伴う。そうするつもりなら、最初から犯行時間帯を夜にするだろう。遺体の喉の骨折の状態からみて、真犯人は車のなかで右手一本で絞殺したのではないか、と当初は伝えられていた。そしてB君の首には針金のようなもので吊るされたような一本の細い線状の痕もついていた。遺体発見時、腐敗は進んでいなかった。(全くしていなかったわけではない)
これは推測だが、真犯人は車の助手席にいるB君を絞殺したあと、車のトランクに用意していた寝袋にB君の遺体をあお向けに入れたのではないか。これもあらかじめ用意していたドライアイスを、遺体に直接触れないようにふたのない小さな発泡スチロールの箱か何かに入れたものと一緒に。そして、B君が息を吹き返さないように、針金か何かを喉側からまわし、頭を起こすようにして針金を引っ張り上げた。この方法なら、B君が抵抗さえしなければ目立つこともなく、10分間もあれば完了する。そして、遺体の腐敗が遅かったこと、B君の髪が濡れていたことも合致する。
ここでも問題は、なぜB君が大声もあげず、抵抗もしなかったか、だ。
○そして、その日の深夜から翌日にかけてのいつかに、首の下や肩のあたりに何枚かの大人用の紙おむつをあてがい、普通のナイフよりもはるかに刃の薄い鋭利な刃物と、目の粗いノコギリで、首を切断した。そうすれば、流れ出た血は、紙おむつに吸収されるので、寝袋からしみ出し、トランクに血痕がつく心配はない。念のために寝袋の下にビニールでも敷いていると絶対大丈夫だ。
遺体の胴体部の衣服にも血痕はついていなかったこととも合致する。
衣服に血痕がついていなかったことから、衣服を脱がせて切断し、また着せたのではないかという報道もあったが、それよりは紙おむつの方が考えられる。
○まだ不可解で不自然なことはある。
真犯人はなぜ、アンテナ施設のフェンスの内にわざわざB君の遺体を運び込んだのか。
事件当時、タンク山へは車で行けたのだが、それでも登り口のチェーンが簡単にはずれることを知っていた人は、地域内の人でも多くはなかっただろう。
そして、アンテナ施設までは、数分間けもの道を歩かねばならないのだ。たとえ台車のようなものに、寝袋のまま遺体を固定して運んだにしても。
25日、26日は捜索隊が出ているから、昼間はとてもできるはずはなく、当然26日の夜もふけてから、あるいは27日、早起きの人が散歩に出る前の時間帯にしか運べない。暗いけもの道を、なぜ?
○真犯人は、B君の頭部を切断し、口を切り裂き、まぶたに×の傷をつけ、ピエロの顔のように細工をするという、信じられないような酷いことをしている。その一方で、胴体部には全く傷をつけてはいない。そればかりか、頭部の口には「さあゲームの始まりです・・・」などという、劇場犯を思わせる手紙をくわえさせておきながら、胴体部には、メモすら添えてはいなかった。なぜ? 真犯人は劇場犯を装ったのかもしれない。遺体の置き場所を暗示する熊笹の葉も頭部に添えられていたと、当初は報道されていた。
頭部の切断位置からしても、真犯人は頭部を人目につくところに据えることは最初から考えていたと思われる。殺害したあと、その後の行動を思いついたのではない。
だから24日、25日、26日と、アンテナ施設内に遺体を置いておくことは絶対にありえない。真犯人が、発見されないと思うはずがないし、実際に発見されないはずはないからだ。先に胴体部が発見されると、厳戒体制が敷かれ、頭部を据えることなど絶対にできなくなるのだから。
○真犯人がもしも劇場犯でないのなら、あの第1声明文は何なのか。
「命の重さを取材して」(産経新聞大阪編集局)のなかに、推理好きの人からの情報としてこんな話がある。
第1犯行声明は胴体部のある場所を示す、犯人からのメッセージだと。
「さあゲームの始まりです」とは胴体部を探すゲームだと。
「学校殺死」を、「SCHOOL KILLER」とせず、「SHOOL KILL」としたのは、意図的なもの。アルファベットの並べ替えの暗号。つまり「LOOK HILL LS」となり、「丘を見よ、竜の山(さん)」。(タンク山は「竜の山」とも呼ばれている。)
その暗号が解けたので胴体部は午後3時には発見され、発見した捜査員は表彰された。その時のコメントが「日頃の訓練が役立った」。単に山を探して、たまたま遺体を発見したにしては不自然だ、と。
だとすると、風車のようなマークも「アンテナの下に」ということかもしれない。「酒鬼薔薇聖斗」は「坂・木・薔薇(いばら)・生徒」なのだろうか。チョコレート坂・山の木・茨のけもの道を下りるとk高校がある。(タンク山はk高校の生徒のランニングの場所でもあった)
全ては胴体部の場所を暗示したメッセージ?
しかし、胴体部には何も添えられていなかった。真犯人の目的はゲームではなく、胴体部をはやく発見させたかったのか。胴体部の発見が遅れると、どうなるのか。腐敗する前に発見させたかった? まさか。
そして、なぜ事前に南京錠まで付け換え、暗いけもの道を通って遺体を運び、フェンスで囲まれたアンテナ施設に置かねばならなかったのか。遺体を野犬に傷つけられることを防ぐため? まさか。
○そもそも真犯人の行動範囲が、狭いこの地域に限定されているのはなぜか。頭部は中学の校門に据えるにしても、胴体部はもっと離れた山に運び、人目につかないところに放置すればそれの方がはるかに安全だし簡単ではないか。
真犯人には、遠くへ出掛けられない事情があったのか。その一方で、深夜や早朝に行動しても不審に思われない状況だったのか。
○第2犯行声明は前述したように、外国製パソコンの画面に映し出された文字を、筆記したものと思われる。
当初は一日では書けないだろう、と言われていたくらいだから、相当の労力を費やして書いたのだろう。「持って生まれた自然の性」に「サガ」とルビをふる丁寧さである。立花隆氏が「大学生にも書けそうにない」と評価したなかなかの文章力ではあるが、1300字に及び、なぜか長い。これを筆跡を変えながら書くのは大変な作業だ。実際、筆跡を変える“決まり”に従って書いてみると、驚くほど似た字になるのだが、とても根気が続かない。真犯人からの声明文には一字の書き損じもない。しかし、なぜこんなにも長い第2犯行声明を送る必要があったのだろう。
○冒頭は「オニバラ」とテレビで自分のことを言っていたことへの抗議である。しかし、「オニバラ」という読み方は、実際にはほとんどされていなかった。あったにしてもせいぜい5月27日夜までで、その後は「サカキバラ」と読まれていた。(第2犯行声明が投函されたのは6月3日午後。)
この声明には、「時制」に関する言葉がいくつか使われている。冒頭が、「この前、ボクが出ている時に・・・」。「今現在の警察の動きをうかがうと、どう見ても内心では面倒臭がっているのに、わざとらしくそれを誤魔化しているようにしか思えない・・・」
しかし、6月2日頃は、事件発覚後の衝撃が強く残っており、「警察の動きは内心では面倒臭がっている」ようなものではなかった。現場になった地域には異様な緊張がみなぎっていたのだ。B君がまだ行方不明だと思われていた間は、「事件性はないだろう」と警察では認識していたようだが。
そしてP.Sとして「頭部の口に銜えさせた手紙の文字が、雨か何かで滲んで読み取りにくかったようなので、それと全く同じ内容の手紙も一緒に送ることにしました」とあるのだ。
○しかし、第1犯行声明の一部の文字が滲んでいたのは事実だが、頭部が置かれた5月27日早朝には雨は降っていなかった。真犯人は滲んでいたことを理由に第1犯行声明と同じものを再び送ることで、第2犯行声明が本物であることを確定させたかったのだろう。それにしてもこのP.Sはいかにもわざとらしい。「雨か何かで」とはいかにも不自然だ。たとえば、雨も降っていない日に子供が服を濡らして帰って来ても、「雨か何かで濡れたの?」と親は聞かない。雨が降っていないことを知っているからだ。
事件当時は、曇り時々雨の日が多かった。だが27日は雨は降らなかったのだ。犯人は何らかの目的で、第1犯行声明の一部を水で滲ませた。そして、27日にも雨が降るかも知れないとの予測をまじえて、第2犯行声明を書いたのではないか。真犯人は、27日朝の天候を知らない。つまり、第2犯行声明は事件発覚前に書かれていた。それをカムフラージュするために、いかにも第1犯行声明のことを報道する番組を見ていたかのように装い、事件発覚後の警察の動きを観察しているかのように装い、第1犯行声明が水で滲んで「読み取りにくかった」ことを報道で知ったように装った。しかし、第1犯行声明の一部が滲んでいたことを、警察は当初公表していなかった。報道もされていなかった。真犯人は滲んでいたことを報道で知ったのではない。自ら意識していたのだ。
「SHOOL KILL」は「SHOOL KILLER」に訂正されていた。これはテレビで間違いを指摘されていたことだ。「C」は欠落したままだったが。
第2犯行声明は、文章構成は整っているものの、冗漫で長い。少しも犯行を楽しんでいるようにも、誇示しているようにも見えない。心理的に追い詰められて人を殺めてしまった男の開き直りと独白がそこかしこに読み取れる。大胆で残忍な犯行の割には、何と陰気で言い訳がましい文章であることか。
○しかし、実は第2犯行声明はこの長さがポイントなのではないか。不自然なことには理由がある。真犯人が、あまり意味のない冗長な第2犯行声明を書き送った意図は何か。それを書くのに要する時間を示すことではなかったのか。つまり、真犯人は事件発覚以前にすでに(おそらく第1犯行声明と同時に)、第2犯行声明も書き終えていながら、事件が報道されてから書いたものだと思わせようとした。なぜ? 事件発覚後には、何らかの事情でとてもあんなに長い文章を筆跡を変えながら書くことができない人物が真犯人である可能性をうかがわせる。これはあくまで推理だが、こう考えると筋が通ってくる。
○正門に置かれた頭部は、27日午前5時30分頃には散歩で通りかかった複数の人の目に止まっている。(5時15分までに正門前を通った人たちは、「頭部はなかった」と言っている。)しかし、最初見た人は立ち止まって頭部を見たものの、「まさか本物ではない」と思って通報しなかった。この時、頭部は正門の左端に置かれ、第1声明文は竹筒状に丸めて、口に差入れられていたという。
6時30分に新聞配達人が見た時は、正門の右端に移動されており、声明文は折りたたまれていたという。この人も通報していない。6時40分、T中学の用務員さんが発見した時は、正門の中央に置かれていた。この用務員さんが通報している。それより以前に、頭部は正門門壁の上に一旦置かれた痕跡があり、落下し骨折している。
○真犯人は、27日5時10分頃、頭部を約2メートルの高さの門壁の上に据えて、現場を立ち去るつもりだったのだろう。しかし落下してしまったので地面に置き、自分は近くに身を潜めて、頭部が発見されるのを待った。通報される様子がないので、場所を移動させながら。
その危険を伴う犯人の行動の理由は、第1犯行声明が間違いなく人の手に渡ったことの確認だったのだろう。当時の報道もそう解釈していた。それ以外に理由は考えられない。地面に据えた頭部に野犬が寄って来て触れたりして、第1犯行声明文が口から落ち風で飛ばされて人の手に渡らなくなってしまうことを恐れたのだろう。門壁の上に据えられれば、すぐに立ち去れたのだろうが、落下してしまった。
第2犯行声明が間違いなく本物であるとの証明は、第1犯行声明が警察の手に渡ってこそなされる。それと同時に第1犯行声明では、劇場犯を装いながらも、胴体部の隠し場所をいく通りもの暗号で示した可能性もある。真犯人にとっての第2犯行声明の重要性については前述した。
しかし、この時間のトリックは推理としては成立しても、それを証明する証拠はない。だから、5月27日から6月3日までに、第2犯行声明を書く時間的余裕がないというアリバイがあれば、真犯人にとって絶対的に有利になる。他によほど決定的な物証がなければ容疑がかかっても、逮捕されることはない。真犯人は極めて頭脳的であり、全て計算ずくだ。
○27日早朝中学正門付近で複数の人に目撃された、黒いビニール袋の男性のことについては、既に述べた。40才前後、横分けができない程度の短髪、ガッチリした体格のこの男性は特定されておらず、不審人物のナンバーワンである。徒歩であることからしても、住人であればすぐ近くに住んでいると思われるが、名乗り出ていない。もしもこの男性が真犯人であるならば、彼は車をそう遠くない、人目につかないところに停めて、頭部を置きに来たのであろう。車種の判明を恐れたものと思われる。車道を歩いていたのは、散歩の人とすれ違う時に近くから顔を見られるのを避けるためか。もしもこの男性が真犯人であれば、この事件はこの男の単独犯行だ。仲間がいれば車で正門前まで来て一人を降ろし、どこかに待機して、携帯電話で連絡を取って迎えに行くはずだから。黒いブルーバードは、単なる偶然か、あるいは真犯人のトリックかもしれない。事件とは無関係の車をそこに呼び寄せる方法はある。頭部を置く場所に犯人が車を乗りあげて停めるのは、いかにも目立ちすぎる。
この不審人物はホームレスの男性だったという可能性もあるが、そうであるならば神戸市では一般には使われない黒いビニール袋をどこで入手したのか、という問題が残る。粗大ゴミの日には、もっと丈夫なカバンも出されているのに。
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